Abについて




Alexandre Barré(Ab Ocarinas 創設者)よりご挨拶
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私のはじまり
職人であり、音楽を愛する演奏家、そしてビジュアルアートを学んだアーティストとして、私は2022年よりオカリナ制作を行っています。日本の尺八に出会い、それを陶器で再現しようと試みたことがきっかけで、陶製の管楽器づくりがいかに複雑で魅力的であるかを知りました。
私の学びの出発点は、日本のオカリナ奏者であり製作者でもある津上まどか氏との出会いにあります。確かな品質の楽器を作り続ける一方で、常に実験と挑戦を続ける姿勢に大きな影響を受けました。現在も助言や交流は続いており、職人としての一見孤独な作業は、共同的な研究へと広がっています。
私の楽器
理想の音を追求するうえで、二つの大切な要素があります。
ひとつは、アパートでも演奏できる音量であること。多くのオカリナは屋外や無増幅の演奏を前提に設計されていますが、私はより控えめで扱いやすい音量の楽器づくりを目指しています。
もうひとつは、バロックやジャズといった、私が特に愛する音楽に対応できること。これらの音楽には、スピード感のある演奏が求められるため、操作性の高さも重要になります。
調律とブレスカーブ
安定性と演奏のしやすさを実現するため、私のオカリナは比較的フラットなブレスカーブ(息の変化が少ない設計)で調律されています。
例えばシングルC管の場合、低いラ(A4)から高いド(C6)まで、ほぼ同じ息の量で演奏できます。さらに高いファ(F6)に到達するには、わずかに息を強める必要があります。
また、ブレスカーブとは別に「吹奏圧(blowing pressure)」も重要です。これは楽器ごとに異なり、基準音を出すために必要な息の強さを指します。私の楽器は比較的やわらかい吹奏圧で設計されており、速い演奏や長いフレーズでも疲れにくいよう配慮しています。
アキュート・ベンドについて
オカリナはヘルムホルツ共鳴の原理による楽器であり、音域には限界があります。息の強さだけでオクターブを変えることはできず、音域を広げるには複数の共鳴室を持つダブル・トリプルなどのオカリナが用いられます。
シングルオカリナでは、高音域になるほど音が不安定になったり、消えてしまうことがあります。これは調律や設計、吹き口の精度などに起因する場合が多いです。
その改善方法のひとつが「アキュート・ベンド(アキュベン) / 胸引き」と呼ばれる奏法で、顎を胸に近づけることで高音を出しやすくします。
しかし、良いオカリナはこの奏法に頼らずとも、高音をクリアに奏でられるべきだと私は考えています。
私のオカリナは、アキュート・ベンドに頼ることなく、澄んだ正確な高音を実現します。時間をかけて研究と試作を重ね、低音から高音までバランスの取れた、安定した楽器づくりを追求しています。